実話である。
友人と二人で満員電車に乗っていたときのことだ。
わたしが適当なことをいったら友人がこれまた適当な嘘で応えた。それで芝居が始まった。
回りに聞こえる大きめの声での芝居だ。当然だが打ち合わせなどしていない。
アフリカに行ってきたんだって?(わたし)
そう、熱かったなあ。(友人)
アフリカっていったら、今、何とか熱って恐ろしい病気が流行ってるって聞いたけど大丈夫?
うん、ちょっとなんだか熱があるかも。
そぉいゃぁ今日はずっと顔色がおかしいよ。吐き気とかしないの?
ちょ、ちょっとぉ、気持ち悪いかも。
-- 電車は目的の駅に近づいているが満員で身動きが取れない。--
おいおい、こんなところで吐いたりしないでよ。
うぅうっうぅうぅ、うー。だめかも。
おい、ちょっと待てよ。吐くなよ。もうすぐ駅だから。
もうだめだぁー。ごめんなさーい!助けてぇー!
-- 目的の駅に到着した。--
助けてくれぇー!(わたし)
ぎゃぁー!(友人)
きゃぁー!(女性客)
-- 満員で身動きが取れなかったのに回りが逃げた。モーゼが海を割ったようだった。--
電車からは楽に出ることができた。20年ほど前のできごとだ。わたしも若かったなぁ。
ショー・シャンチェスの冒険
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