実にエキサイティングな出来事だ!
人類最強対コンピュータ最強のチェス6番勝負のことだ。6番勝負は2度行われている。
1度目は1996年2月17日、フィラデルフィアで行われた。カスパロフ(Garry Kimovich Kasparov)対ディープブルー(IBM製コンピュータ)の戦いは人類代表が4勝2敗で制した。カスパロフは1秒間に1億手を読むコンピュータに勝ったのだ。
2度目は1997年5月11日、場所はニューヨークだ。今度は改良されたディープブルーが3.5勝2.5敗で勝利した。このとき新しい歴史が刻まれたのだ。この本「ディープブルー vs カスパロフ」はそのときの記録である。
この本を購入したのはおそらく12年ほど前だ。わたしはこの本を理解したくてチェスを覚えようと計画していたのだ。しかしである。計画倒れで今日までその計画は倒れっぱなしだったのだ。購入して12年。今ようやく読み始めた。
その内容を自分なりに理解したうえで今後少しずつ自分の言葉で解説していこうと思う。今回はそのさわりだ。
カスパロフの1手目は Nf3(右のナイトを f3 へ)。レティオープニングというそうだ。カスパロフはディープブルーの用意した定跡データベースを外すという戦略だ。
そしてそれ以降の今回の図面までの指し手は右のポーンを進める g3 と左のポーンを進める b3 、そして左のビショップを活用する b2 までだ。
g3 と b3 の意味はポーンが進んで空いた空間にビショップを活用しようということだ。これをフィアンケットという。ビショップを動かす前に2つのポーンばかり進めたのは、これも定跡外しの戦略の一環だ。
ディープブルー側の1手目は d5 。まずはポーンで中央を確保。次に Bg4(ビショップが g4 へ)。これは場合によってはビショップでナイトを取って(B×f3)、ポーンで取り返させる(e×f3)ことで形を悪くするというねらいだ。ポーンが2つ縦に並んだ形(ダブルポーン)は悪形なのだ。
1. Nf3, d5 2. g3, Bg4 3. b3, Nd7 4.Bb2, ..
【追伸】 究極のチェスを完読したのだ。 ..とはいえ時間を置きもう一度読もうと思っている。
ショー・シャンチェスの冒険